Kakuya Ohashi and Dancers 大橋可也&ダンサーズ: グラン・ヴァカンス
『グラン・ヴァカンス』は、天才作家飛浩隆の華麗なる再デビュー作であると同時に、鮮烈な詩的イメージとストイックかつエモーショナルな筆致、そして謎めいたガジェット/ディテールに覆われ尽くした、ゼロ年代日本SFが生んだ傑作中の傑作である。
永遠に終わらない夏、時間からも空間からも取り残された仮想リゾート地「数値海岸」、人間どもに見捨てられたAI(アーティフィシャルインテリジェンス)たち。だが彼ら彼女らがいかに「人間」に似ていることか。そのデジタルな実存の生々しさは、確かに、われわれの生の或る極限を垣間見せる。
大橋可也&ダンサーズが、この小説を「ダンス」にすると聞いたとき、一瞬唖然となった。だが暫しの熟考の後、これは驚くべきマッチングだと感嘆した。
そこにある身体に潜む諸々の変項をキャンセルしてゆき、存在のギリギリの根元まで切り立てるというのが、大橋が出発点とする舞踏の革命だったとしたら、大橋はそのありようを、更にそのまま、いまわれわれが現に生きている世界/社会へと折り曲げて接続しようと試みてきた。それは完膚なきまでにアブストラクトな、だが切れば血が噴き出る肉を備えた、取るに足らない、だが切実な「生きてあること」の様相である。
それは思えば、飛が描き出した『グラン・ヴァカンス』の風景と、驚くほど似ている。
大橋可也のダンサーたちは、「数値海岸」に棲むAIたちと、もともとそっくりなのである。
だからこれは、ほとんど運命的と呼んでもいい遭遇なのだ。佐々木敦(批評家・早稲田大学教授)





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「やればできる子」/「あずま 」のイラスト [pixiv]](http://24.media.tumblr.com/c62a36cb8c0d9b529ad735ab95fc3899/tumblr_mmqj10beRk1qz6zaro1_500.jpg)


